2012年12月29日

自分的電子書籍元年

 日本の電子書籍元年が来る来る詐欺になりつつあった今年、何か電子書籍リーダーほしいなと思い始めたのは今年の春頃。

 ただひたすらに求めたのは「置き場所を気にせず本を買いたい」。あの頃、急増する子どもたちの本を置く場所に困って、自分の本が入っていた棚を明け渡したりしてたので、気になる本があっても置き場所がまず気になって。図書館にあるものは極力そっちで借りるようにしたこともあったけど、読みたいときには大抵貸し出し中。順番待ってやっと借りた頃には、すっかり読みたい熱が冷めてて結局未読。……そのくらい置き場所が悩みだったんですよ奥さん。だから、それから解放される電子書籍は本当に魅力的。紙の本より安くなくても、下手したら多少高くてもいいぐらいに思ってた。
 正直、国内の電子書籍ストアの点数は未だ選べるレベルではない。けど、文庫・新書の類なら、過去のものは無理でもこれから出る分については大体電子化されるようになってきたのかな、という感触もあり。それなら今から買う分だけでも極力質量レスに……ホントに置き場に困ってたんだな自分。

※あ、「読み終わったら処分」という選択肢はなし。昔、「もう読まないよねー」と処分した本が後で必要になって泣いた経験があるでな……。

 Kindleが今年中に来るとか来ないとかいってるなー、うーんどうしようかなーと悩んでいたところに楽天Koboの発売即騒動があり、でもその前後の電子書籍界隈の盛り上がりで端末ほしい熱だけが過熱して、SONY Reader(PRS-T1)を買ったのが7月の話。
 Readerストア使いにくいとか、T1買った直後にT2が出たりもしたけれど、あのときはベスト、というかほぼ唯一の選択肢だったと思う。品揃えの問題はおそらくAmazonでも同様だろうと思っていたし(現にそうだった)。

 置き場所を気にしないというささやかな幸せを感じ……るほど買う本はストアになく、まあそれでもePubリーダーとしても活用しつつReaderで何冊か本を読んだところで、いよいよKindle発売。そうかーPaperwhiteかー、T1よりちょっと解像度高いんだよね。そして予想より安かった値段を見た瞬間にポチっと。スペックが違うことを言い訳に値段で衝動買いと申しましょうか。活字読むにはT1の解像度で十分なので、結局言い訳にもなっていないというオチもあるでよ。

 そしてKindle PW到着。PCでKindleストア眺めて、とりあえず気になっていた本のサンプルをポチり。――数秒後にPWにそのサンプルが落ちてきたことが少なからず衝撃だった。……すみません嘘つきました。本当はPWの前にNexus7+Kindleアプリで試してそこで衝撃受けてました。閑話休題。
 話に聞いて知ってはいたけど、体験してやっと実感したというか。Amazonの1クリック購入は使ったことないし、世間で絶賛されるアレそんなにいいの?と思っていたけど、ここに来てやっと分かりましたよええ。E-Ink端末って、今のスマホやタブレットの操作に慣れると本当に反応遅くて、ページめくる以外の動作は極力したくないんだわ。だから、購入からダウンロードまでの数ステップが省けるだけで全然違うしありがたい。
 おかげでサンプル試し読み程度でも気軽にできちゃう(Readerでは何か面倒で結局指名買いしかしてなかった)ので、PW来てもしばらくサンプルリーダーだったのは内緒。いやホントにさっくり手元に来るんだもの。

 そしてたまの外出時。本来ならドヤ顔でE-Ink端末持ち歩くところだけど、3DSをLLに買い替えたら思いの外でかい&重くてな……他の荷物は極力減らしたい軽くしたい、というときもあるのですよ。そこでiPhone+Kindleアプリ。家で読んでた本が荷物増やさずそのまま出先で読める。これ自分的には結構無視できない。出先だと長くても数十分の暇つぶしなので、液晶&小さい画面でも目の疲れはそれほどではないし。ReaderもAndroidでアプリ出てるけど、iOSで出ないかなあ。

 とReaderのdisりになりそうだけど、現時点ではReaderストアにあってKindleストアにない(あるいはKindleストアの方が入荷が遅い)本って結構とあるので、買った本の冊数はReaderの方が多い。ただこれも、しばらくすれば揃ってくるだろうから、そのときにReader陣営がどうするのかどうなるのか。両方をハシゴしながら見守る所存。

 そんなこんなで一連の電子書籍リーダー騒動のあと、また紙の本を買うようになった。ここ半年ほど電子書籍界隈を眺めていて、新刊でも(出版業界の大半を占める)中小出版社のものはなかなか電子化されない現状が分かって諦めがついたのが半分。そして、本読みたい熱復活が半分。そう、一連の電子書籍騒動のおかげでまた本を読む気になった。自分的にはこれが一番よかったことかもしれない。本楽しいよ本。
posted by 築城 at 07:09| ネット

2011年04月05日

ロサンゼルス旅行記(1)

 春休みの1週間、家族でロサンゼルスの妹のところへ行ったのでその記録など。まずはヲタ関連その1。ちなみに大人になってからは初渡米。

【通信環境とか】
 1週間ネットなしはちょっと耐えられそうにもない体。最初はiPhoneをローミングサービスで使うつもりだった。海外パケットし放題で1日1480円――うち的にはちょっと高いけど、素人が現地で回線契約したり設定したりも面倒なので、1週間のことと割り切って。

 しかしこれが全然使えない。AT&Tの3G回線を捕捉するんだけど圏外のまま。同居人のBlackberry端末はちゃんとAT&Tの3G回線で使えているので、電波が弱いといった問題ではない。SoftbankのこことかAppleのここあたり見てやったんだけどねえ……経験者の話が聞きたいと思ってぐぐっても、トラブルの話は出てこない。ということは、誰も使ってないか、よほど初歩的なところでつまづいているか。
 ――後者のような気が激しくするが、原因追及している暇もないし、とりあえずホテルではWi-Fi使えたから早々に諦めた。

 とはいえ、音声通話もiPhoneのSkypeでやろうと思っていたので、iPhoneが使えないとなると、向こうでの連絡手段が全くなくてめちゃくちゃ不便。急遽プリペイド携帯を仕入れることに。

 Best Buy(家電量販店)で無造作にぶら下がっている端末の中で、一番安かったのはAT&TのSAMSUNG端末。$15の無料通話込みで$9.99。端末代はマイナス値か。妹曰く「AT&Tはつながりにくいしサポートも良くない」という話だけど、そもそもサポートを求めちゃいけない値段だと思う。閑話休題。

 よくいえば懐かしい、モックのように軽くておもちゃのような端末だけど、音声通話+メール+IM(AOL・Winodows Live・Yahoo!)+一応ネットブラウズも可能。まー2バイト文字通らないから、日本人には実質音声通話しか使い道ないけど。
 サインアップ時に料金プランを選択。今回は$2/dayで音声・メールその他使い放題プラン。月極プランもあり。

 通話の音質はイマイチだけど用は足りて、ディズニーランドでも安心して別行動できましたとさ。しかし、出先でネットつながらなかったのはちょっとねー。不覚かつ無念。
posted by 築城 at 11:29| ネット

2010年08月25日

アルバムの抜き出し買い

 iPhoneやらiPod classicやらを使うようになって、音楽ファイルもiTunesで管理するようになると、あれだけ抵抗感のあった音楽配信も嘘のように利用するように。といっても月に1度あるかないか、かなあ。CD自体、一時期ほど買わなくなったし。

 で、やはりあれだけ抵抗感のあった、「アルバムから気に入った曲だけを抜き出して買う」をやってみた。iTunes上ではあたかもアルバム1枚買ったように表示されているけど、中身は自分の気に入った曲だけという不思議。

 生まれてこのかたアルバムという形態で音楽を聴いてきたせいなのか、「作り手はこの形態で聴くことを前提に作っているのに、それをリスナー側が壊してしまう」ことへの後ろめたさなのか――「アルバムから気に入った曲だけを買う」ことは長らく抵抗感があった。けどやってしまえば、気にならなくなってきた。かも。好みでない曲を我慢して聴くことはない。アルバムのレビューで「捨て曲なし!」なんて表現があるくらいだし。

 しかし、そのレビューにあたってはたと困る。「アルバムのレビュー」と言えば、それは基本的にアルバム全曲を聴いた上での感想なわけで、その一部しか聴いていない場合はどうするのか。「○○というアルバムの、これとこれとこれを聴いた感想」というレビューは見たことがないし、そもそもそれを従来の(全曲聴いた上での)アルバムのレビューと同じ所に並べていいものなのか。
 アルバム名抜きで、曲単位のレビューならいいのか。すいません、そこまで細かく語るつもりは今のところない……世間的にも、そういう単曲のレビューって、ドラマやCMで話題になった曲でもない限り見ないよねえ。

 「アルバムから抜き出し買い」への抵抗感って、そういう、自分が誰かに「これいいよー」と感想を述べるときに困るから……なのかな、結局のところ。感想を誰かに伝えたりその感想をさらにシェアしたりするのに、抜き出し買いは(少なくとも今のところは)障害になる。この後どうなるんだろう。曲単位のレビューやシェアが当たり前になっていくのかな。

 そして今さら気づく。同じアルバムを聴いている人がいたとして、私がその人と「あのアルバムいいよねー」などと話していても、その中身は違うかもしれない。暗黙のうちに同じと思っていた「アルバム」がそうでなくなる――そういう事態は、もう起きているんだろうか。音楽配信サイトでユーザーレビューが掲載されていたとして、そのレビューは全曲聴いたものなのか? 抜き出して聴いたものなのか? 自分の耳で試聴すればいいだけの話だし、実際そうして買っているけど……アルバムについて語られているときは、そんなことを頭の隅に入れた方がいいのかなとふと思った。
posted by 築城 at 05:37| ネット