■ 奇妙な夢

 死んだはずの人がいて、何事もなかったように話をしている。夢の中の自分は、その人が死んだはずだということを知っている。それなのに、その人が目の前にいることを受け入れている。

 その人は記憶の中の(現実の)姿よりふっくらと健康そうで、話す声も明るい。夢の中の自分はそれを、自分の願望がそう見せている、そう作り上げていると感じている。誰かの願望によって人が作られる、そういうこともあるのか。こんなに生き生きと楽しそうにしているなら、それもいいじゃないか。

 でもなぜか、それがずっと続くわけではないとも思っている。いつかは現実にすっと寄り添う――いなくなる。だんだん姿が薄れていくんだろうか。それでも、いきなりいなくなるよりはずいぶんいい。

 ……というヤマもオチもない夢だけど、珍しくはっきり覚えていたので。年を取ってから見る夢は、これが夢であると分かっていて冷静に見ていることが多い気がする。なんでだろうねえ。